知識の部屋。

放課後等デイサービスで働いて2年。その中で学んだ知識をご紹介。

発達障害のためのSSTを4選!

 

SSTソーシャルスキルレーニング)は、発達障害を抱える子どもだけでなく、実は発達障害を抱えない子どもにも使えることはご存知でしょうか?

 

SSTソーシャルスキルレーニングとは、「生活技能訓練」または「社会生活技能訓練」を意味します。要するに、自立した生活ができるよう訓練するということです。

 

私は、日々カリキュラムの中にSSTを週に2回ほど行っています。全体で行うときもあれば、少人数でおこなうSSTもあります。今回は、どのようなSSTを行っているのか解説も含めご紹介していきたいと思います。

 

 

 

【最近の一番恥ずかしかったことを教えて!】


●中度〜軽度向け

目的:苦手なことやできないことを人に言えるようになる。(社会に出た時周りの助けが発達障害の人は必要となるため)
✓自己理解
✓弱みを強みに変える

 

●内容
少人数グループで行う。(全員で行うと発表形式になってしまい、意見が出にくくなる可能性があるため)


「最近の一番恥ずかしかった話」「やらかしてしまった話」を支援者から面白おかしく話し始める。次に、支援者は質問して、子どもに発言するよう誘導する。どの話にも支援者は共感を入れて、楽しい雰囲気になるようにする。

 

●ポイント・気を付ける点
□言いやすい雰囲気づくりが大切です。
□話せる子だけでグループを作ったり、本気で悩んでいる子だけでグループを作るようにしましょう。
□全員で前向きに考えられるように支援者は話を誘導していきましょう。

 

 このSSTでは、失敗すること・やってしまったことは誰にでもあるよということを認識させて、その上で恥ずかしいことではないことを学びます。以外と失敗は恥ずかしいこと、隠したいことと思ってしまいがちですが、生きていく上で失敗しながら人は成長し大人になります。また、失敗があるから成功があるのだということを伝えてあげると更にいいかもしれません。

 

 

【仲間はずれはどれ?】

 

●中度〜重度向け

目的:✓聞く力

   ✓知識力

 

これは、ゲームをしながら聞く力を訓練するゲームです。

支援者は、一回しか言ってはいけません。

 

●内容

 3つの単語を支援者は言います。

 その中に、一つだけ仲間はずれの単語があるため、仲間はずれの単語を子どもたちが 

 当てるというゲームです。

 例:支援者「いちご、みかん、たまねぎ仲間はずれはどれ?」

     「蝶々、カラス、カブトムシ仲間はずれはどれ?」等一つだけジャンルの違    

     うものを言います。

 

●ポイント

□最初に、子どもたちに一度しか言わないことを必ず伝えると良いでしょう。

□最後に応用編なんか入れても面白いです。

 

【2つのお題でディスカッション】

●軽度向け

 

目的:✓コミュニケーション能力

   ✓説得力

   ✓トーク

 

●内容

これは、少し難しいゲームですが、二チームに分かれて行います。例えば、「海派か山派」に分かれるとします。海派のチームは、海について素晴らしいことやいい所を伝えて、山派を納得させます。山派のチームも同じように行います。

確かにと思わせることを目的としているため、勝ち負けはありません。

支援者は、最終的にどちらにも良いところがあり悪いところもあるよねという方向にもっていくのがいいでしょう。

世の中、素晴らしい案だとしても必ずデメリットがあります。そういうことを学ぶための一つとして、このディスカッションゲームは行います。

 

●ポイント

◻話す時間と相手チームの話を聞く時間とを分けておくとメリハリが付きディスカッションが行いやすくなります。

◻最初に言葉の使い方も説明しておくと良いでしょう。脅しのような話し方でなく、相手が納得いくような適切な話し方を説明してみてください。

 

【電話対応できるかな?】

●軽度向け

目的:✓聞く力

   ✓情報を伝える能力

   ✓言語力

 

●内容
電話(携帯電話)を使って、電話対応をします。
電話で聞いた内容を適切に伝えられるかの練習です。
(例)
支援者:「〇月〇日〇曜日に変更をお願いします。という
     ことをAさんにお伝え頂けますか?」

子ども:「かしこまりました。お伝えしておきます。」
→その後、Aさんに適切な言葉で正確な内容を伝えるということを練習します。

●ポイント

◻支援者が、最初にお手本を見せるとスムーズに行なえます。

◻伝える情報量を増やして、聞き取りながらメモをするなども応用としてよいかもしれません。

 

 

今回もSSTソーシャルスキルレーニング)についてご紹介させていただきました。

発達障害の人だけでなく、そうでない子どもたちも楽しめるSSTソーシャルスキルレーニング)。是非、試してみてください。

 

下記に、前回のSSTもご紹介しておきます。前回のSSTはお家でできるSSTを記載しております。お時間がある時に少しでも覗いていただけると、幸いです。

 

 

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